何度でも

今日は最悪。ダメかも。

はぁぁ。楽屋に戻って大きな溜め息をついた途端、携帯がふるえた。

さとし?

呼ばれた場所はおそらく誰も来ないだろう、トイレ?

時間があんまりないから急いで来たけど

さとさとし?

恐る恐る中を覗いたオレの腕が掴まれて、驚く間もなく大好きな香りに包まれた。

青い顔しやがって。

見透かすような智の瞳に見つめられて胸がギュッとなる。

泣くなよ。まだ収録残ってんぞ。

わ、分かってる。

バレた気持ちを誤魔化すようにオレは何度も瞬きをしながらしがみつき智の匂いをいっぱいいっぱい吸い込んだ。

カズ、分かってるだろうけど俺はお前が好きなんだぞ。今日はそうビジネスだ

うん。うん。でも辛い

和也、こっち見て。

見上げた智の唇が近づく。

チュッ、チュッと啄むように重ねた唇は離せないまま深いキスに変わった。

んんふっん

絡めあう舌からいつもの様に智の愛が全身に広がっていく。

立ってられないって思った瞬間に唇が離れて、智に抱きしめられた。

カズ、何度だって言うよ。愛してる。大好きだよ、和也。

オレだって。愛してる。大好きだよ。

んふっ。続きは帰ってからな。もう少し頑張れるか?

智こそ頑張れる?

俺はお前の事だけ考えてるから。

フフッ。エロおやじ。

んあ?お前なぁぁ!

///ウソだよ。ありがと、智。嬉しかったよ。

ん。お前、分かりやすいし。

ね、もう1回だけキスして。

そう言って手を繋ぎ指を絡めると、智が優しい笑顔でキスをくれた。

チュッ

やべもうムリ勃っちゃう。

ふふっ。オレも。

んじゃ、戻るか。

うん。

トイレを出る前にチュッってもう1回キスがきた。

繋いだ手を離しても、もう大丈夫。

いつも、いつでもこの人はこんなにオレを想ってくれてるから。

心配かけてごめんね。

充電させてくれたから、これで頑張れるよ。

終わったらたくさん愛してるって言おう。何度も。何度だって。

だから頑張る。

頑張るから、だから、智今夜はいっぱい愛してね。

おしまい

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